整形外科も知らない坐骨神経痛と椎間板ヘルニア
腰痛と一言でいっても、痛み方は多種多様で原因もさまざまです。腰痛の施術にはまずそれを知ることが重要です。
動作の途中で突然腰に痛みが起こったり(ぎっくり腰)、何気なく腰に痛みがあったのが時間とともに痛みが激しくなってきたものなど。
日常生活の中で一定の痛みが続いたり、ある動作でいつも痛いなど腰の痛みが長く続いた腰痛。 |
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椎間板ヘルニアは実際には腰痛よりも脚のしびれの症状のことを言うが、お医者さんなどでは腰痛しかない患者さんにも椎間板ヘルニアの診断をつけることがある。
これは腰痛の種類には入らず、お尻から脚の範囲でしびれや痛みがある場合に言う。腰痛と重なって痛みが出ることもある。 |
腰痛を施術するためには痛みを起こしている原因は何かを追及しなければ具体的に施術はできません。よく整体や国際基準ではないカイロプラクティックの先生が痛いのは背骨が歪んでるからとか、骨盤が捻じれているからと言いますが、歪んでると何がどうして痛みを感じるのかを具体的に述べる先生はあまりいません。もちろんそれでも腰を捻るような施術をするだけで腰痛が治るようなことはあります。
非常に難しいですが・・・できるだけ簡単にカイロプラクティックで腰痛をどのように施術するかを説明します。
☆まずはお話を聞くことが重要です。
腰痛の原因を知るためにはまず、どこがどのように痛いかを知らなければなりません。
◆部分的にズキズキする。
◆鈍くグーッと痛い。
◆腰が全体的に痛い。
など。
痛み方によって原因も様々違います。
腰痛治療ナビはこちらです
痛くなったきっかけも治療には大事です。
◆床のものを持ち上げようとした時や何かの動作の途中で痛みが出た。
◆じっと立ってると痛くなった。
◆座ってるとだるくなった。
◆歩いていると痛みが出てきた。
など。
これらも何がどのように痛いのかを見分けるのにとても重要な情報です。
他には、発症してから現在までの痛みの移り変わり、痛みが起こる時間帯や日常動作のパターンなどたくさんの情報を元にいくつかの可能性を上げていきます。もちろん、病気による腰痛との鑑別も重要です。
☆原因を絞り込むために必要なチェックをしていきます。
整形外科的テスト・神経学的テスト・モーションパルーション(動き)・スタティックパルペーション(触診)・筋力テストなど
痛みを感じる組織はいくつか種類があり、どの組織に痛みがあるかを見分けていきます。
◆筋肉
◆靭帯(じんたい)
◆関節包(かんせつほう)
◆骨膜(こつまく)
◆髄膜(ずいまく)
◆血管
◆椎間板
それらの組織は次のようなことで痛みが起きます。
◆組織に傷がついた場合(炎症反応が起きます)
◆筋肉の過剰な収縮
◆靭帯・関節包の異常な伸張
◆病理的な問題(腫瘍や自己免疫疾患など)
ただし、一般的な腰痛はほとんど筋肉の痛みです。時に靭帯や関節包の痛みもあります。椎間板は腰痛というよりもお尻や脚の痛みやしびれの場合が多いです。その他は病気や怪我の場合です。
検査ではどのような動きで痛いのかを具体的に見ていきます。
例えば、<前屈はできるけど後ろに反ると痛い場合>と<後ろは反れるけど前屈が痛い場合>では痛みを感じるメカニズムが違いますので、施術するのに重要なヒントになります。
腰痛坐骨神経痛の予防・原因・施術!はこちらです
腰痛のメカニズムとカイロプラクティック施術
★一般的に腰痛が起こるには次のような流れがあります。 |
@習慣的な体の癖や繰り返しの動作 |
A関節の動き方に左右上下で偏りが起こります。 |
B収縮を繰り返した筋肉が疲労します。 |
Cその筋肉が動かすべき関節はスムーズに動かなくなって関節の中にある液体の循環が悪くなります。 |
D関節を保護している関節包が硬くなったり、癒着を起こしたりします。 |
E靭帯も同じようになります。 |
F関節が硬くなることで疲労した筋肉も働けなくなって硬くなります。 |
GBやFの状態で痛みを感じると自律神経(交感神経)が働いて血管を収縮させて血行不良が起きます。 |
H痛みを感じる神経は過敏な状態になりさらに痛みが強くなります。 |
IA〜Hが繰り返されてどんどん状態が悪化していきます。場所も一つの関節から複数の関節に広がり、小さな筋肉から大きな筋肉まで広がっていきます。 |
★カイロプラクティック施術では何故この状態を改善させることができるのか? |
@AやHの筋肉を特定できる。 |
Aどの関節のどういう動きが悪くなっているかを見つける。 |
Bその関節の動きを改善させて筋肉の働きを取り戻すことができる。 |
C習慣となっている動作に対してアドバイスができる。 |
D改善後もバランスを保つように運動の仕方などをアドバイスできる。 |
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★カイロプラクティック施術 |
カイロプラクティック施術では主に関節の矯正を行いますが、これをアジャストメントと言います。
アジャストメントは最小限の力で素早く関節を動かすことで行われるので、やたらとバキバキするものではありません。 |
アジャストメントが効果を発揮する理由は、腰痛の流れにあるCの関節内循環を改善し、D、Eの関節包や靭帯を元の状態に戻し、関節の動きに伴って筋肉が働くことができるようになり、神経の働きが活性化することにあります。 |
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◆腰痛施術に必要な身体のしくみ◆
腰椎を後ろから見たところ |
これは2つの腰椎です。
2つの腰椎の間に関節があります。関節は筋肉が引っ張ったり緩めたりすことで動きます。
つまり、関節が動かないと筋肉は働くことはできません。
この小さな関節と筋肉の働きの異常を見つけ出して、アジャストメントによって正常な状態を取り戻します。 |
前からみたところと脊髄 |
頚椎・胸椎・腰椎には脊髄が通っていて、神経となって体中の組織に張り廻ります。
血管も無数に張り廻り、各組織に栄養を与えて、老廃物を取り込みます。
この血液は動きがないと停滞しやすくなり栄養が不十分で老廃物がたまり、かたい組織になりやすくなります。 |
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