うつ病と自律神経失調症を考えるC
最近では健康法の一つとしてよくデトックスという言葉を耳にします。身体は生きるために必要な栄養を取り込んで、その残りカスを老廃物として身体の外に出そうという働きがあります。尿・便・吐く息などはそのためには欠かせない生命維持機能ですね。それ以外で重要なのは汗ですね。汗をかくというのは元々体温の調節機能ですが、細胞に溜まった老廃物を排出する役割もありサウナや岩盤浴などは健康にいいと言われるのはそのためです。そこでやはり考えなくてはならないのが体に溜まった老廃物を出せばうつ病や自律神経失調症が治るのかということです。私個人の考えでは直接的に効果があるとは思えません。
ここまで、交感神経や副交感神経の過剰な活動がうつ病の症状を作りだしているというお話をしました。そして、老廃物を外に出す行為は自律神経のバランスがとても重要であるというこもこれまでの話で分かってくると思います。排尿・排便・汗をかくなどはすべて自律神経の働きです。
例えば、排便を促すために下剤のような薬を飲んで老廃物がたくさん出てもうつ病は治るとは思えません。また、汗をかくために岩盤浴に行って大量の汗を出してもやはりうつ病は治らないと思います。むしろ、副交感神経が高まりすぎて余計に体が重くなってさらに症状を悪化させることも考えられます。
大事なことは前回でも書いたように生活習慣ではないでしょうか?便秘の人を例にあげてもわかるように、便秘を治すには適度な緊張感と適度なリラクゼーションが大切でそのタイミングやリズムによって正しく便意を催します。いつも仕事で忙しくて緊張感が強すぎると過敏性の下痢を起こしたり、全く便意を催さなくなったりします。またお休みで一日中ごろごろしていても便秘になるときがあります。汗をかくために岩盤浴をするのはただ体温が上昇して汗をかくに過ぎませんのでサウナより穏やかではありますが自然な行為ではなく、自律神経を強制的にコントロールしているとも言えます。(ただし、汗かく行為は健康のためには良いことで岩盤浴自体は私は推奨しています。あくまでうつ病が治るかどうかという視点でのお話ですのでご理解ください)汗をかくのであれば運動をした方が良いと思います。つまり、デトックスそのものは健康のためには良い事であってもそれが直接うつ病や自律神経失調症を治すのではなく、身体が自然にデトックス機能を高められるように適度な緊張感、リラクゼーション、運動を行うことによって自律神経をコントーロールすることが効果的であると思います。
それができたら苦労はしていないと言われるかもしれませんが、次にまたそのお話をしたいと思います。
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